600年 時空を超えて再審査!

 1401年、イタリアはフィレンツェでのコンクール、最終審査に残ったのはブルネレスキとギベルティの2人。栄冠を得たギベルティは自分が勝者だと言い切り、ブルネレスキは2人でつくるように言われたが自分は降りたなどと主張。事の成り行きは今現在も曖昧です。

 …ということで、中学生に再審査してもらうことにしました。子ども達は初め、ドラマチックなブルネレスキのレリーフを圧倒的に推します。しかし、情報を与えたり、構成について考えさせたりすると、少しずつ心が移ろいでいきます。時のコンクールの頃は、美術の素養を持っているのがフィレンツェ市民のステータスだったそうで、市民も審査に参加しています。

 50分間での変化… 子ども達も授業の間に、少しは「美の素養」を身につけた人になったでしょうか ?! (中学3年生対象)

 600年の時を超えて異国の地での再審査!…制作したブルネレスキとギベルティの2人も喜んでいる かも知れません。



 教師としての私は、授業のまとめで、当時追究されたであろう遠近感の構成を行ったギベルティを推しました。子ども達は「先生はどう思いますか?」と、専門家や大人の意見を聞いて来るものです。真実を求めようとするのです。しっかりした根拠を持って、子ども達に向き合いたいものです。( …「どうなんだろうね?」と、わざとはぐらかす時もありますが。)

* 写真は、バルジェロ美術館で撮影したものを少々加工。

* 奥行き模型は、自作。

緒方信行's Ownd

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